旅行に出かけるとき、ガイドブックでレストランや観光地は調べても「トイレ事情」まで詳しくチェックする人は少ないと思います。
でも実際に現地で困るのって、意外とトイレなんですよね。

私も初めてタイに行ったとき、日本と同じ感覚でトイレに入って大慌てした経験があります。
「えっ!? これどうやって使うの?」と戸惑ったり、思わぬ便利さに感動したり…。
そんな経験を重ねてきたからこそ、今では「タイのトイレって奥深いなぁ」とまで思えるようになりました。

この記事では、私自身の体験を交えながら、日本との違いやちょっとしたコツを紹介していきます。
これを知っているだけで、旅行中に焦る場面がぐっと減るはずです。


公共施設のトイレはバラエティ豊か

タイのトイレで最初に驚いたのは、その「多様さ」です。
デパートや空港、高級ホテルにあるトイレは、日本と遜色ないほど清潔で安心。
紙もあるし、ウォシュレット付きのことも増えてきました。

一方で、地方のバスターミナルやローカル市場のトイレに行くと、いきなり和式風の床置きタイプに出会ったりします。
私が初めて地方の市場でトイレに入ったとき、便器が床に埋まっていて水桶と柄杓(ひしゃく)が置いてありました。
「これはどうするの?」と一瞬固まってしまったのを今でも覚えています。

現地の人に聞くと、水桶の水で流すのが普通とのこと。
慣れれば「エコで合理的だな」と思えるのですが、最初はなかなか衝撃的でした。


トイレットペーパー問題

タイでよくあるのが「トイレットペーパーが流せない」問題です。
特に古い配管のトイレでは紙を流すと詰まってしまうため、個室内に設置されたゴミ箱に捨てるようになっています。

これ、正直最初は抵抗がありました。
「えっ、紙をゴミ箱に?」と戸惑いましたが、慣れてしまえば不思議と気にならなくなります。
むしろ「詰まらせてしまう方が大変だな」と割り切れるようになりました。

デパートやホテルなど観光客がよく利用する施設では紙が流せることもありますが、場所によってルールが違うので注意が必要です。
私は今ではタイ旅行の必須アイテムとしてポケットティッシュを常備しています。
観光地の有料トイレでは入口で紙を売っていることもありますが、持っていれば安心です。


ウォシュレット代わりの“ジェットスプレー”

タイのトイレで一番特徴的なのが「ジェットスプレー」です。
便器の横にシャワーヘッドのようなノズルが置かれていて、水を噴射して洗う仕組みになっています。

初めて見たときは「これはどう使うの?」とかなりドキドキしました。
でも勇気を出して試してみると、意外と快適なんです。
水圧も強めで、むしろ日本のウォシュレットよりスッキリすることもあります。

私の友人はこのジェットスプレーが気に入りすぎて、日本に戻ってからも「家に導入したい」と言っていました。
ただし使うときに水が飛び散りやすいので、慣れるまでは注意が必要です。
私は最初の頃、服を濡らしてしまって焦ったことがあります…。


有料トイレの存在

タイでは駅や公園など公共のトイレが有料になっていることもよくあります。
だいたい2〜5バーツほどで、入口で係の人に支払います。
中には「チップ制」のように小銭を置くケースもありました。

有料といっても金額は小さいですが、その分掃除が行き届いていて安心感があります。
私はバンコクのバスターミナルで有料トイレを利用したとき、スタッフが常に清掃していて驚きました。
「数バーツで清潔さが買えるなら安いものだな」と思いました。

旅行のときは小銭を少し多めに用意しておくと便利です。


トイレに入るときのマナー

タイのトイレでは、日本とは違うマナーもあります。
例えば、個室のドアが外開きだったり、鍵が少し緩かったりすることが多いので、使用中はしっかり確認が必要です。

また、床に水が広がっていることもよくあります。
これは掃除やスプレー使用のせいで、汚れているわけではないことがほとんど。
でも最初は「えっ濡れてる…!」と驚くので、サンダルや濡れても大丈夫な靴が安心です。


子ども連れや女性にとって

私の知り合いで小さなお子さんを連れて旅行した人が「トイレ事情は一番大変だった」と話していました。
子どもが紙を使い慣れている場合、スプレー式は難しいので、やはり紙を持参して使うのが安心です。

女性にとっても、タイのトイレは慣れるまで少しハードルがあると思います。
ただ、バンコクの大きな商業施設では本当にきれいで、日本より快適な場合すらあります。
私もサイアムパラゴンのトイレを使ったとき、その清潔さと香りのよさにびっくりしました。
「ここなら日本と同じ感覚で使える」と感じました。


まとめ

タイのトイレは「場所によって全然違う」というのが一番の特徴です。
豪華なショッピングモールのトイレは日本以上に快適なのに、ローカル市場では床置き式で紙なし、なんてことも普通にあります。

最初は戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえば「その土地の文化を知る小さな冒険」みたいで面白く感じられます。
旅行中はポケットティッシュと小銭を常備し、紙を流せるかどうか確認しながら利用するのがコツです。

私にとって、タイのトイレ体験はただの不便さではなく、異文化を肌で感じる大事な学びになりました。
次にタイを訪れるときは「どんなトイレに出会えるかな」と、ちょっと楽しみにすらなっています。